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私は近くのソファーに座った・・・
こんな怪しい男の子ほっとけばいいけど・・・・
なんだか・・・
悲しそうだから・・・
「改めて僕は夢売屋・・君の名前は?」
「秋菜・・・・上野秋菜よ・・・」
「ふ~ん・・・・秋菜・・君は夢を買いに来たんでしょ?」
「だから夢って何?私知らないわ」
「・・・君・・・・弟が居たでしょ」
「!?」
この子の言うとうり・・・私には弟が居た・・・・
だけど・・・・
死んだ。
元村長に毒を盛られ・・・
赤ちゃんのうちに死んじゃった・・・
弟の存在は私と元村長しか知らなくて・・・
誰も信じてくれなかった。
当然の事・・・
私の家は村でも権利のあるほうだから・・・
跡取りになる男の子である弟は元村長の座を脅かす・・・
でも・・・・
悔しかった・・・・
憎かった・・・・・
殺した村長が・・・・・
それと・・・
赤ちゃんの弟を守れなかった自分が。
弟が居たなら・・・
もう一度一緒にいれたなら・・・
今度こそ守り通す・・・
だけど・・・
それは夢物語で・・・
ぁ・・・
「夢って・・そういうこと・・・なんだ・・・」
「・・・さぁどうする?もう一度・・・弟といる?」
「えぇ・・・夢を頂戴・・・」
「いいよ?だけどね・・・夢にも代金・・・代償がいるんだ。」
「代償・・・?」
「そう・・・そしてその代償はね・・
君の夢だよ。」
「私の・・・?」
「うん」
この際夢でも何でもいい。もう一度・・・弟に!!
「わかったわ」
「そう・・・なら行ってらっしゃい・・・・」
彼はいっそう悲しい表情になる・・・
私は気づけなかった・・・
私は静かに目を閉じた・・
闇に意識が落ちていく中彼の声が聞こえた・・・
「忘れないで・・・夢は・・・ッーー・・・・・!!」
私の意識は途中で途切れ聞こえなかった・・・
忘れないで!!夢は・・・ー・・
いつか終わるということを・・・・・・。
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