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同市内、見るからに怪しい人間が二人、動いていた。
一人は男。外見から判断するに歳は20前後といったところか。いや、白髪である事を除き、顔だけを見るとまだ高校生くらいにも見える。黒赤のチェック模様の大きな布の袋から手首と頭だけだしたような服装に、首から提げたネックレスには拳ほどの水晶のようなものが一つ、胸元にぶらさがっている。そしてこの男、[授かりし者]なのだろう。白髪の中から真っ黒い山羊の角のような物が生えている
もう一人は女。というより女の子。金髪に近い茶髪でツインテールをつくり、オレンジ色の地に緑のラインの入ったTシャツとデニム生地のスカートといった外見だけでも、中学生以上には見えない。そして彼女も[授かりし者]なのだろう。Tシャツの背に明けてある二つの穴から、真っ白い鷹の翼のような物が生えている。
「見るからに怪しい二人…動いていた」と表現した理由は、二人が手を繋ぎ、そして地面から少し浮いて滑るように移動していたからである。[授かりもの]としては黒と白は大変希少で、一概にどんな事に特化した能力かがまだ不明な為、この力が二人の内どちらのものなのかは判断出来ない
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