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ベッドにはいり再び目を閉じた。
………………
…………
夢を見た。そこは今いる病室でとても暗く、カーテンがぴっちりと閉まっていた。
私は起き上がりドアを開けた。
「!!!」
そこはシーンと静まりかえった廊下があるだけだった。
えっと………
私はこの状況にただただ、驚いて立っていた。そうまるで、人がいない匣の中に取り残されたような感じだった。
そのとき、後頭部に強い衝撃が走った。
………………
…………
……
私はおもわず起き上がった。カーテンの隙間から微かに光が差していた。
カーテンを開けると、いつの間にか朝になっていた。窓を開けると風が入ってきた。
ぼさぼさになった短い髪をとかし窓を閉めた。
「いつの間にか朝になったんだ。」
……さっきから気になっていたけど、やけに虫の音が煩かった。ま、7月だから仕方がないよね?
少しクシャクシャになっている入院着を綺麗に直し、何気なくドアを開けた。
そこは夢と同じように人がいなく、シーンと静まりかえっていた。
「なんで……」
背中に鳥肌が立った。私は怖くなり、階段まで全速力で走った。
そのとき、後ろのエレベーターのランプが 1から2
2から3
とこちらに向かって来た。ここは三階なのでなんとか頑張れば、ドアが開く前に一階に辿り着く。
一息つくと、一気に階段を駆け降りた。
チン
と音がして、三階にあるエレベーターのドアが開いた感じがした。
やっとの思いで一階の広いロビーに着いた。診察カードを出す受付、長い背もたれがないソファーが今はそれらが怪しく感じれる。 自動ドアの前に立った。開いてくれるように必死で祈った。願いを聞いてくれたかのようにウィーンと音をたててゆっくりと開いた。
私は飛び出すかのように外へ出た。
誰もいなくなった病院、そこには小さな男の子が立っていた。蝉の鳴き声が一層大きくなった。
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