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まるで童話のワンシーン。
姉さんが読書に熱中してて、アタシは退屈。
暖かい日差しの中、このままじゃ眠ってしまう。
ここでシロウサギなんぞが走ってきたら不思議の国に行けるのだろうか?
そんなくだらない事を考えながら、ボンヤリする。
これは、夢?
「お前がアリスか?」
気付いたら、ソイツがいた。
あまりにも唐突過ぎたため、悲鳴も上げられない。
姉さんには見えないのだろうか?
チラリと視線をやると、相変わらずすました顔でページを送っていた。
さっきの声なら、いくら彼女が読書に集中しているからといって聞こえていないというのはおかしい。
「お前が、アリスか?」
繰り返すソイツは、何かに怯えているようだった。
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