2人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい!一時解散!」
突然言われた「解散」宣言。
えっ!?
「解散」?
何が!?
何それ!?
某芸人が書いた自記伝の「ホームレス中学生」に出てくるお父さんのセリフじゃん!?
それって…。
「ど~ゆ~事!?」
半ば怒り口調でアタシは聞く。
「解散は解散!一回、ナシにしよ!」
サトルは手の平をひらつかせ、アタシから顔を逸らした。
そんなサトルの横顔をアタシは両手で挟み、グイッと無理矢理正面を向かせ
「意味ワカンナイよ!!なんでそ~なんの!?なんで!?」
ギッっとアタシはサトルを睨みつけた。
するとサトルはアタシの両手首をつかみ、ゆっくりと下に下ろす。
「…解散って言っても、別れるワケじゃないよ!一回、離れようって事!」
「だから!それってバイバイって事じゃん!?一回離れたら、なし崩しに『はい!それまで!音信不通!』ってなるでしょーがっ!?」
声を荒げて言うアタシにサトルはため息を一瞬つき
「普通通り、今まで通り『友達』に戻るだけ!普通にみんなと遊ぶ時は、会えるし、電話もメールもするし。ただ、2人きりで会ったりは止めようって事!」
そう言った。
…アタシには分からない…
サトルは何故、突然そんな事を言い出した?
なんで!?
「ア…アタシっ…!アタシ、一体何かした!?」
「…いや…別に…」
「じゃあ!アタシの事、嫌いになったの!?」
「…嫌いなワケじゃないよ…」
何!?何!?
一体、何なの!?
嫌いじゃなければ、離れる必要ないんじゃないの!?
元々、サトルは掴みようのない人だとは分かってた。
思ってても、口に出す人じゃないから、何考えてるのか分からない人…。
でも、今まではだいたいは予想がついたもの!
今回は…
まったく分からない…。
最初のコメントを投稿しよう!