友達以上

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「はい!一時解散!」 突然言われた「解散」宣言。 えっ!? 「解散」? 何が!? 何それ!? 某芸人が書いた自記伝の「ホームレス中学生」に出てくるお父さんのセリフじゃん!? それって…。 「ど~ゆ~事!?」 半ば怒り口調でアタシは聞く。 「解散は解散!一回、ナシにしよ!」 サトルは手の平をひらつかせ、アタシから顔を逸らした。 そんなサトルの横顔をアタシは両手で挟み、グイッと無理矢理正面を向かせ 「意味ワカンナイよ!!なんでそ~なんの!?なんで!?」 ギッっとアタシはサトルを睨みつけた。 するとサトルはアタシの両手首をつかみ、ゆっくりと下に下ろす。 「…解散って言っても、別れるワケじゃないよ!一回、離れようって事!」 「だから!それってバイバイって事じゃん!?一回離れたら、なし崩しに『はい!それまで!音信不通!』ってなるでしょーがっ!?」 声を荒げて言うアタシにサトルはため息を一瞬つき 「普通通り、今まで通り『友達』に戻るだけ!普通にみんなと遊ぶ時は、会えるし、電話もメールもするし。ただ、2人きりで会ったりは止めようって事!」 そう言った。 …アタシには分からない… サトルは何故、突然そんな事を言い出した? なんで!? 「ア…アタシっ…!アタシ、一体何かした!?」 「…いや…別に…」 「じゃあ!アタシの事、嫌いになったの!?」 「…嫌いなワケじゃないよ…」 何!?何!? 一体、何なの!? 嫌いじゃなければ、離れる必要ないんじゃないの!? 元々、サトルは掴みようのない人だとは分かってた。 思ってても、口に出す人じゃないから、何考えてるのか分からない人…。 でも、今まではだいたいは予想がついたもの! 今回は… まったく分からない…。
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