小さな箱と醜い人形

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泣けない自分が悔しい‥‥ 動けない自分が悔しい‥ もし、僕が人形じゃなくて人間なら‥‥ 簡単に此処から出られたのに‥‥ 思えば僕には思い出なんか無い‥‥ いつも、人間に振り回されて‥ いつも、置き去りにされて‥ いつも、店内で1人寂しく座っていた‥‥ 人形の僕には痛覚は無いけど‥‥ とっても寂しかった‥ 僕は不良品だから‥ いつも皆から気味悪がれた‥ いつも、1人だった。 周りの人形はどんどん人間に買われて幸せな顔で行ってしまうのに僕だけは‥ソレを見続けている‥ 羨ましい‥‥ イイナ‥不良品ジャナクテ‥ いくら綺麗な服で身を包んでも‥ 壊れた僕を誰も買ってはくれない‥ 寂しいな‥ 悲しいな‥ 悔しいな‥ 僕は小さな箱の中で何度も呟き続けた‥ .
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