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「しかし、そうね……あんなにあからさまに勇者です!見たいな正義感と技を見ると、そこまで悩むこともないんじゃないかしら?
……それで、おさげの妹を拉致ってきて祭り上げて仕舞えば、後はもうどうとでもなるんじゃない?」
大人しく聡明そうに見えるクーシェの脳筋な発言に、ストーリンもベルも冷や汗を流す。
そんな最中、パールが「うーん、多分そんな簡単な話じゃないかもしれないよ」と呟くと、その場の全員がパールに視線を向けた。
「お前があの癖っ毛と対峙していないからではないか?」
「だからこそ、僕も華矢ちゃんが勇者だと思うところがあったのさ」
クーシェの意見に飄々と返すパール。
だが、ふと視線を外し、自分の放った魔物アルラウネが廃人と化し実家に帰ってしまったことを思い出していたが、その事については敢えて口に出さなかった。
パールはあくまでも全てを共有する気は無い様子だ。
「それなら!今回こそ私に行かせてもらうわよ!」
奥の部屋から、黄色い声の少女が盛大に飛び出してくる。金髪の長い髪を高く両サイドに縛り、黒いロングドレスに身を包んだ少女は両掌を組んで頬につけてうっとりと双子の映る映像に目を輝かせる。
「サラさん、集合時間はとうに過ぎておりますよ!ちゃんと時間通りに出席してくれなくては他の子達に迷惑が掛かります!」
「中々髪のセットが決まらなかったのよ〜許してストーリン♪」
「はい、許されました!席に着きなさい!」
サラと呼ばれた可愛げのある少女は秒で許され、「やったー、ストーリンはチョロくて好きよ」とハートを飛ばしている。案の定、つまらない他の魔人達は各々嫌そうな顔をしてソッポを向いていた。
「で、サラちゃんに出て頂きたいのも山々なのですが、次はちょっとベル君に出てもらおうかと」
「えーーー!なんでよ、ベルばかりずるいわ!!」
「まあまあ、サラちゃんにも大きな仕事を控えさせて頂いてるので!もうちょっとだけ我慢してね!」
「勇者のガキにリベンジか、今度こそ仕留めてきてやるよ」
愚図り、機嫌を損ねるサラにストーリンがよしよしとなだめると、ベルは星琥の映像を殺意の籠った瞳を血走らせる。
「ああ、いえいえ、君にはパール君の言っていた事を確かめて貰おうと思いまして」
「……は?」
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