何だかんだ、1番怖いのは人間

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魔物騒ぎで祭りは幕を閉じ、皆疲れ果てて静まり返る夜の村の景色。 暗闇に包まれるも、村のあちこちに植えられた花がぼんやりと光り、街灯代わりまでとはいかないがじんわりと何処に何があるかはわかった。 ……そんな穏やかな景色の中を、こそこそと物陰に隠れながら移動する影が一つ、何かを探すように動いていた。 ふと、他と比べ一回りほど大きな建物の前に来ると、光は嬉しそうに飛び跳ね、二階の窓際のベットで寝息を立てていた癖っ毛の少女の腹目掛けて飛び込んだ。 「かっ……?!」 突然の衝撃で起こされ掠れた声を上げたのは疲れてぐっすり眠りに入っていた筈の星琥で、寝付けず魔導書を読んでいた華矢はイビキをかいていた筈の星琥から発せられた声に驚き、目を丸くしたまま体が硬直。何事かと星琥の方をただ凝視していた。 「ううー……鏡重かった……ちょうど良さげなクッションがあって助かったわ!」 「もしかして……また妖精さん?星琥達が会った子かな?」 華矢が恐る恐る口を開くと、妖精は起きている人間がいた事に驚くも、ああ!と目当ての人間だったことに気づいて明るい声を上げ、疲れた顔はパッと笑顔になった。 「夜分にすみません、お初にお目にかかります勇者様!!わたくし妖精国の女王ゴールデンマリー様から遣わされた妖精マーチでございます、以後お見知りおきを!!」 「私は華矢、勇者かって言われたら自身はないんだけどよろしくね……ところで、貴女の乗ってるそのふかふかのクッションも実は勇者なんだ?」 「へっ?」 ゆっくりと視線を下げ、自分の乗っている『もの』を確認する。幻想的な村の風景に、可愛いらしく甲高い悲鳴が響き渡った……。
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