1.始まりはいつも

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「では…聞こうか」 「え、何を?」  直弥の視点は定まらず右往左往とさ迷っている。  これからどうなるのかが怖くて仕方がないのだろう。 「何を?――ではないわっ!このうつけ者め!!」  ついに冷静に振る舞う余裕がなくなったかのか、直弥に詰め寄りながら激昂する。 「どうしてこんなつまらん物をこそこそ見ていた!?」 「どうしてって、そりゃねえ」 「私がこんなにもお前のことを想っているというのに……ふん、こんなアバズレどものどこが良いというのだ!?」  反転してディスプレイを引っつかむと、コードを限界まで延ばして直弥の目前に画面を突き付ける。 「見ろ!この女、抱かれていようと内心は何も感じていないのが見え透いている。私がこの身を直弥に任せる時は、このようなつまらん顔をするものか!!第一、インターネットというのは誰でも見られるのだろう?そのような場所に己の裸体をさらすなど、とち狂っているに決まっている!」
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