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いや、慣れたというより嫌じゃなくなったと言うべきだろうか。
そこまで頭の中で考えが回った時、直弥は顔面の筋肉が引き攣るのを感じた。
(イヤ、イヤイヤ、イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ!なんて恐ろしい事を考えてるんだ俺!忘れろ、今すぐ忘れるんだ俺、忘却の彼方へ仕舞ってしまえ!!)
頭をブンブン振って振り払うようにすると、目眩が襲い壁へと身体を打ち付けてしまう。
「チッ、ままならない身体だよホントに!」
悪態をつくと同時に着いたエレベーターが口を開ける。
さっさと家に戻って休むとしよう。
そう結論してさっさと自分の家のドア前まで歩き、鍵を開けて中に入る。
「ただいま~」
誰もいないはずのこの家に何時もいる鬼姫に、帰宅を知らせるも何の反応も返ってはこない。
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