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イライラしつつ理事長室を出る。
やっぱあの目は心底キライだ。
そう思っていたら、
今度は何やら物凄く騒がしい奴が
こちらに突撃してくるのが見えた。
なんだ?やたら嫌な予感がする。
「おーっ!!お前が編入生かっ!?
俺は2年D組担任の勝山 浩介!
お前のクラスの担任だからな!」
ニコニコしながら肩を叩かれた。
本人としては軽ーく叩いたつもり
だったのかもしれない。が、
叩かれた方の右肩が猛烈に痛い。
そりゃあもう果てしなく痛い。
お相撲さんの張り手並みだ。
振り替えれば、
爽やかなで活発そうな顔立ちに
短めでも流行を意識した髪型の
若さ溢れるエネルギッシュな教師
が満面の笑顔を浮かばせていた。
黙っていればさぞモテただろうに
きっと黙っていないんだろうな。
俺はいま、理解した。
ごくせんなんてのはあり得ない。
だって本物の熱血教師はこんなに
もウザくて暑苦しい。
「・・・・・・・よろしくっス。」
「2年生の階は5階だからな!
張り切って階段昇るぞーっ!」
「はあ・・・・・ってええ!?ちょ、ありえねぇマジかよ!?」
ちなみに校長室は1階にある。
(来客を早く迎える為だそうだ。
ちなみに職員室も1階にある。)
そして2年生は5階・・・・なぜ!?
つーかこの校舎は何階立てだよ!
「ん?本当だぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
頭が痛い。
なんで不思議そうにしてるんだ?
もしかしておかしいのは俺か?
(いやいや、俺は正しいはずだ。
ここで階段は普通におかしい。
金持ちらしくエレベーターとかに
乗って優雅に行くべきだろ。)
しかし、なんだかんだ言って
結局は階段を昇る羽目になった。
それもなぜか知らんが全速力で。
「おおー体力あるじゃないか!
ぜひサッカー部に来ないか!?」
「・・・・・・・・・・行かないッス。
てかセンセーが顧問なんスか?」
なぜだ?なぜ全速力で昇るんだ?
そして階段を昇ってるだけなのに
なんでコイツは楽しそうなんだ?
健康的な白い歯が綺麗だなオイ。
「そうだっ!!」
「・・・・・・・・・そっスか。」
サッカー部員はかわいそうだな。
さぞかしウザい部活動だろうに。
心から同情するよ。俺は無理。
(だって絶対スパルタ熱血だ)
やっと5階に到着する頃には
俺は身も心も疲労困憊だった。
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