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「よーし皆おはようっ!!
今日も元気に挨拶するぞー!
ちなみに編入生来てるからな!」
一応ここは高等部の教室である。
だがこの熱血教師の声だけ聞けば
まるで幼稚園のようだ。
(毎朝こんな感じなのか・・・・。)
これから毎朝このテンション・・・
俺にとってはただの拷問だ。
「笹木っ!入ってこーいっ!!」
《・・・・・ガラガラガラ》
扉を開けると
俺のクラスメイト(になる奴ら)は
皆驚いた様な表情をしていた。
まぁ確かに俺は染め過ぎて傷んで
赤っぽくなっちまった髪してるし
ピアスの穴は両耳に2つ開けてる
し制服だって適当に着くずしてて
わかりやすくスレた格好してる。
金持ちのお坊ちゃんにはあんまり
関わったことのない人種だろうし
驚くのも無理はない話だよな。
・・・・・・・・と、思ったのだが。
(ん?・・・おーおー。
なんだ金持ち学園にもちゃんと
チャラいのがいるじゃねぇか。)
教室の中には俺と変わらない連中
もちゃんといて、妙にイラついた
様子で俺を睨みつつ座っていた。
・・・・・・もしかして熱血教師にでも
怒られたのだろうか?
「んじゃあ笹木!
景気良く自己紹介してくれ!!」
「・・・・・・笹木っス。よろしく。」
(景気の良い自己紹介って何だ。
つーかこれが教師で良いのか?)
「よーし!じゃあお前の席は・・・
天乘院の隣だ!座って良いぞ!」
(・・・・・なにぃ――!?)
席の方を見れば明らかに不満げな
先ほどの美形の隣の席がぽっかり
と空いていた。
(・・・・・・・・勘弁してくれ。)
眩暈がしそうだ。
これからは毎日あの"目"に耐えて
過ごさなきゃならねぇってのか。
新しい生活は
絶望的なスタートを切った。
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