日常化した事。

2/3
前へ
/14ページ
次へ
  「笹木っつったっけ? 編入初っぱなからンな格好で メンチ切って来るなんてよぉ?」   「バカじゃねぇ?そこにはそこの ルールってもんがあるんだぜ?」       現状を端的に表現するのなら、 目の前にはざっと7、8人ほどの ガラの悪い連中が居並んでいる。 所謂"お呼びだし"というヤツだ。     そしてありがちな事にこの場所は 校舎のすぐ裏の人通りのない所。 奴らの目的は俺のリンチだろう。       (編入1日目から喧嘩か・・・・・・。 1年以内には退学だな。)     まあそれならそれで好都合だ。     「聞いてんのかお前? 俺らが手ぇ出さないと思ってんな らそいつは大きな間違いだぜ?」   「そーそー。後でセンセーに 泣き付いたって無駄だからな―。 "助けてせんせぇっ!!皆がボクを いじめるんですぅっ!!"」   「キモっ!ぎゃははははは!!。」       俺は何一つ喋ってないというのに 勝手に話して勝手に笑っている。 ちょっと頭の出来が心配だ。       「・・・・・・・・・。」   「なあ何とか言ったらどうだぁ? 調子こいた編入生さんよぉ!?」       相手の一人が痺れを切らたらしく 俺に向かって殴りかかってきた。だが・・・・――。       (――――・・・・遅ぇし。)       まあ所詮はお坊ちゃん、である。 喧嘩の"け"の字も知らないような 隙だらけの相手の拳をかわして、 横っ腹を強めに蹴り倒してやれば 相手は面白いくらい悶絶した。       「がッ!!?・・・げほっがふっ!!」   「てめぇ・・・・ぶっ殺す!!」       まさかやり返されるとは予想して いなかったらしく相手方の顔色が 変わった。     どうやら認識を改めたらしい。 それぞれが鉄パイプや木刀やらの 武器らしき物を持ったかと思えば 一斉に俺に襲い掛かってきた。       人数的には明らかに俺が劣勢だ。 しかし、コイツらは弱すぎた。 真ん中に立って攻撃を避ければ バカ共は自分の獲物を扱いきれず 簡単に同士討ちをするのだ。       (・・・・・・・・・・・ダッセぇ。)       呆れてものも言えない。 あらかた片付いた所で最後の二人 の鳩尾に裏拳と膝蹴りを入れて、 適当に沈めればあっという間に 一方的な喧嘩は終了した。       (・・・さすがお坊ちゃんだな。)       この程度で"俺"に歯向かうなんざ ただの自殺行為でしかない。     横たわるバカ共を見て後始末する 俺の身にもなれ、と思った。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

409人が本棚に入れています
本棚に追加