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一人の女の子の姿が目に浮かんだ。
幼なじみの……。
少女「……たーくん?」
そう、俺は「たーくん」って呼ばれてたっけ。
少女「たーくん……だよね?」
孝弘「『たーくん』か……。懐かしいな」
孝弘「そうだよな、たーくんって呼ばれてたんだよな」
孝弘「今の俺が女の子にそう呼ばれたら、まさに赤面ものだけどな……」
孝弘「……しかし懐かしいな、たーくん、か」
少女「やっぱり……たーくんだ!」
少女「たーーーくーーーーーーーんっ!!!」
孝弘「うおっ!!」
少女「たーーーくーーーーーーーんっ!!!」
少女「たーくん!たーくん!たーくんっ!たーくん!たーくんたーくぅーーんっ!」
孝弘「うぉっ!!」
孝弘「うぐぐぐぐ……」
知らない女の子が、俺の首に抱きついている。
ですの少女だけじゃなくて、この町は変な女ばっかりか?タカヒロ・イン・ザ・ワンダーランドか?
少女「たーーーーくーーーーーーーん♪」
繰り返し叫ばれて、一瞬「たーくん」の意味がぼけそうになったが……。
俺が小さいころに呼ばれていたあだ名じゃねーか?
少女「きゃう~ん。たーくんだー!」
少女「うわー、ホントにたーくんだよ?信じられない、信じられないよ!たーくんだよっ!」
孝弘「お゛……折゛れ゛る゛……折゛れ゛る゛っ!!」
いかん、脳に酸素がいかなくなって、この女の子が誰なのか、考えが巡らない。
少女「……ん?たーくん?」
孝弘「くびが……」
あぁ……意識が遠のいていく……。がくっ
死の安らぎは、等しく―――――――
少女「わわっ!!」
少女「わわわわっ!?たーくん大丈夫?ていうかひょっとして折れてる?折れてるー!」
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