プロローグ

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そう考えてみると、なかなかセンスがいいじゃん。 孝弘「なぁーんだ、ははは」 理解を超えた光景に慌てふためいていた自分がバカみたいに思えてきた。 ひとり言をブツブツ呟きながら、挙動不振ってた自分を客観的に想像してみると、超恥ずかしい……。 落ち着きを取り戻した俺は、周囲の風景を見渡す。 孝弘「…………まほろば……か」 到着早々、オレンジの点線に面食らってしまっていたが、ようやく落ち着いて周りを見渡す事ができた。 俺、黒田隆弘は親父が海外に単身赴任するのを機に生まれ故郷のまほろば市に帰ることになったのだ。 まぁ、生まれ故郷と言っても、ものごころがつくかつかないかの歳で引っ越してしまったから、正直、あまりよく覚えていない。 親父の仕事の都合でガキのころから引っ越しばかり繰り返してきたせいか、自分に生まれ故郷なんてものがあることすら忘れていたぐらいだ。 帰ってみたらまたで、駅前は思った以上に近代的だわアートっぽい線が引かれてるわで、懐かしさを感じる前に面食らってしまったわけだ。 俺が住んでいたころから十数年たってるんだから仕方がないのかもしれないけどな……。 親父といっしょに海外で生活するのもありかなとは思ったが、 親父と話しあった結果、この街で一人暮らしをすることに落ち着いた。 今の俺にとっては海外での生活より、気ままな一人暮らしの方が魅力的だったというのが、俺が故郷に戻った最大の理由だ。 ちょっと変わった街なのかもしれないけど、住めば都って言うし、慣れるのがいちばんだ……。 孝弘「な!?」 ブルマー少女「……」 孝弘「なーー」 こ、これも、アートなのか?自己表現のひとつの形なのかっ? まほろば市はアートで町興しでもしてるんだろうか……? ブルマー少女「……また……」 孝弘「……?」 ブルマー少女「またきたのですの?」 そう俺に問いかける少女。 妙な格好こそしているが、といかけたその声自体はいたって真面目だ。
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