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少し悲しげな声音を含んだその問いに、一瞬ドキッとする。
孝弘「また……来たって、どういう意味?」
孝弘「俺、君とどこかで会ったっけか……?」
ブルマー少女「…………」
俺のことをじっと見つめるブルマー少女。
ブルマー少女「……。知らないなら、人違いですの。忘れてくださってけっこうですの」
一瞬、憂いを秘めた表情になるが、すぐにニッコリと笑いかけてきた。
うーん、こんな子とどこかで会ったかなぁ?
俺よりもずいぶん年下なようだけど、これだけ可愛いければ覚えていないわけがない。
それに白昼堂々ブルマー姿で大鎌をかついでいる女の子なんて、忘れようとしても忘れられるもんじゃないよ。
ブルマー少女「ところであなたは……」
孝弘「うっ!?」
いきなり、彼女は持っていた大鎌を俺の首に突きつけてきた。
ブルマー少女「どちらへ行くんですの?西の御剣町ですの?それとも東の鏡町ですの?」
孝弘「は、はいぃ……?」
ブルマー少女「どちらですの?御剣町?鏡町?」
孝弘「ど、どちら?って……?」
ブルマー少女「どっちですの~?」
駄々っ子みたいな口調になる少女。
いや、そんな可愛らしく言われても、質問自体が意味不明だし、凶器突きつけられて、可愛もなにもあったもんじゃねぇ!
孝弘「こ、ここってまほろば市だろ?みつるぎちょー?かがみちょー?なんだよ、それ?」
俺の引っ越し先の住所のことか?そんなこと鎌突きつけて聞くことかよ。
以後ブルマー少女はブルマーと略します
ブルマー「そう、ここはまほろば市ですの。で、あなたが行きたいのは御剣町ですの?鏡町ですの?」
真顔で質問する少女に悪意は感じられないが、意味が分からん。
孝弘「だ、だーかーらー……っ!な、なんなんだよ、それは!」
ブルマー「何にも知らないですの?」
孝弘「し、知らないもなにも、俺は引っ越してきたばかりなんだよ!」
とりあえず刺激するのが怖いので、下手に出ていることをアピールしてみる。
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