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駅のホームには人が集まり出していた。
武田修二は大学に向かうため、電車を待っていた。
くん…と、誰かが服の裾を引っ張る。
「ん?」
見ると小学生くらいの女の子が、修二の服を掴んでいた。
「何?」
「貴方は死ぬよ」
「はぁ?」
修二は面倒くさそうに頭を掻く。
質の悪い事を言うなぁ。
最近のガキは。
「電車に乗っては駄目だよ。乗ったら貴方は死んでしまう」
「はいはい。遊んでないで学校に行けよ」
そう言って、修二はやって来た電車に乗り込んだ。
「後悔するよ…武田修二」
少女が着ていた赤いケープが、風に揺れて波打った。
ドアが閉まる。
やがて電車は動き出した。
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