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ガタン、ガタンと揺れながら、電車は次の駅へと向かって走る。 普段は満員とまでは行かないものの、それなりの人数が乗っているにも関わらず、電車の中は空いていた。 珍しいと思った。 そして可笑しいとも思った。 普段は半数を占める高校生が、一人も乗っていない。 駅には確かにいたのに…? 「ねぇ…」 「あ、はい?」 若いOLの女に話し掛けられた。 「貴方…レインに会った?」 「レイン?何ですか、それ」 「女の子よ。赤いケープの女の子。その子に言われた通りにしないと、必ず死んじゃうんですって」 女が笑って言った。
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