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逃げ遅れたOLの腹に、男が包丁を突き刺した。
OLが悲鳴を上げる。
男は包丁を引き抜くと、OLには興味を無くしたように、修二に向かって包丁を振り上げた。
首から肩に向かって、切り傷が走る。
修二はその場に倒れ込んだ。
痛い。痛い!痛い!
傷が燃えるように熱くて、血が溢れ出て体温が奪われていく。
寒い。熱くて、寒い。
視界に子供の足が映った。
「どうして…信じてくれなかったの…」
泣きそうな少女の声。
「レイン…?」
掠れた声で修二は呟いた。
何で、此処にいる?
この子は電車には乗らなかった。
ホームで見送ってたのに、どうやって…
フワリと何かが落ちてきた。
視界がぼやけて、良く見えない。
緑色の…四つの丸に、一本の線…。
…四葉のクローバー?
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