二人

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「うわっ」 階段には大量の煙が充満していた。 「か…階段!他には!?」 「えっと…こっち!」 文菜に案内された階段も煙が満ちて、熱気でとても下りられる状態では無かった。 他に出口を探したものの、何処も鍵が掛かっていた。 「ごめんなさい…私の所為で…」 辿り着いたのは、姉がいた病室。 「文菜…マットレス集めよう」 「え?」 「ベッドのマットレス。布団でも枕でも…兎に角、全部!休憩室に集めるの!」 病院のリネン室から、マットレスや布団を持ち出し、病室のベッドから剥ぎ取り、二人は山のようにかき集めた。
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