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慌ただしい朝を迎えて、高校生の水梨柳は家を飛び出した。
寝坊して、遅刻寸前。
走って駅に向かうと、目的の電車が停車していた。
「やった!」
間に合った…!
そう思い、ホームの階段を駆け上る。
ふっ…と、影が出来た。
見上げると階段の終わり、真正面に女の子が立っていた。
赤いケープを纏った、小学生くらいの少女だった。
「水梨柳…」
少女が呟いた。
「え…」
名前を呼ばれて柳は首を傾げる。
知らない子なんだけどな…。
不思議そうに少女を見ていると、ホームにベルが鳴り響いた。
「あっ…やば!」
急いで残りの階段を駆け上った。
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