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やばいよ。完全に遅刻だよ。 「あれ?柳じゃん!あんたも乗らなかったんだ~。偉い偉い」 声の方を振り返ると、クラスメイトの真上千幸がいた。 噂好きの情報通で、新聞部のエースとして有名な子だ。 柳とは話した事がある程度だったが、初対面からこんな調子で話し掛けてきた子なので、気安い友達ではある。 「偉いって何で?」 「ん?あんた、レインに会ったんじゃないの?純粋に遅刻なわけ?」 千幸は菓子を食べながら問う。 「レイン?」 「赤いケープの女の子。見なかった?」 「ああ、その子なら今、話してて…って、あれ?いない…」 少女は忽然と姿を消していた。
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