†第一章†

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そのリーダーっぽい人がこちらを見るのがわかった。私はまずいと直感で感じ、背を向けて走りだそうとした。 が、 「おい…。お前…待てよ」 その人の低い声に体が固まる。 「お前……。見てただろ。そのまま帰ろうなんてねぇんじゃねぇの?」 ど、どうしよう!! だんだん近づいてくるのがわかる。 足音が私のすぐ横で止まった。 「おい……ばっくれらんねーぞ 顔あげろ……」 上げられるはずもないって。 だって、あの低い声。 理旡お兄ちゃんとは違う。 怖い…… 「…ッ…… 聞いてんのか?ちび!」 『きゃっ……』 ぐいっと無理矢理顎を持ち上げられた。 そう その人と初めて目を合わせた。 私の目にはすっと整った顔立ちの青年が映った。でも、どこか哀しげな雰囲気を持っていた。 顎を持ち上げられ、ますます動けなくなってしまった。 『(なんで…放してくれないの?なに? なんなの?💦)』 そう思うくらいその青年はずっと私を見ている。 その青年の動きも止まったように見える。 とにかく私は怖かった 『ふ……… ……ふぇ……💦』 精一杯の力を振り絞り、その人の手を振りほどき急いでその場を走り去った。 「お、おい!お前……」 その人の声が聞こえてきたけど、私は必死で走った。
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