Daybreak

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どこにでもある 一軒の寂れたバー。 看板等なく薄汚れた街角にある。 店内は見た目通りのくたびれ具合。数人の柄の悪い男達が酒に酔っている。 ドアが静かに開き先程の男が入る。 「お前かディーゼル」 その男―ディーゼル―と呼ばれた男は綺麗に剃り上げられた頭にヤギ髭。無駄に良すぎる体付きに厳つい顔。 ディーゼルは彼を呼んだ男の前のカウンター席に座る。 「ビールくれ」 上着を脱ぎなから告げる。 60を手前に控えたメタボリックな親父―バーのマスター―は ディーゼルにバドワイザーを渡す。 丸太の様な腕に両肩にはトライバル。 タンクトップから覗く背中の様々な絵柄のタトゥー。 「仕事は済まして来たのか?」 「上々だ。親父。今頃頭に穴空けてお月様でも眺めてるさ」 ディーゼルは愛煙のラッキーストライクに火を着ける。 「ヤツはちっとばかしヤク捌いてるチンピラだ。どうってことはない」 「今月は厳しくてな。少しでも稼ぎが欲しいだけだ」 外では断末魔の叫びが聞こえる。 それを誰一人として気に止める者は居なかった。 「明日には金が入る。ちゃんと始末してたらな」 「オレがそんな…」 ディーゼルの言葉を遮る様に入り口から一人の男が流れ込んで来た。 「誰が助けてくれ!」
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