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「その話はやめとけ。
マジでヤバい」
突然、真顔で言い始めるのは、川本。
今何かヤバいこと言ったかな?
そう思いながら、聞き返す。
「何がヤバいんだ?
名前出したらいけなかったか?」
「ああ。
そんだけで十分だ。
とにかく、口に出すんじゃねえ」
どこか怯えた表情の川本は、真剣な顔で言う。
分かったよ、と適当な返事をしながら、俺はある人を見ていた。
俺の出した名前の持ち主。
ぱっと見ただけでは、ちょっと暗めのただの女の子だ。
なのに、彼女についたあだ名は……いや、誰もその名を呼ぶことはないらしいから、あだ名とは違うけれど。
その名は、「死神」。
死神少女と呼ばれる女の子は、窓際の席でただぼーっとしていた。
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