162人が本棚に入れています
本棚に追加
「秋也、もう部活決めた?」
秋也ってのは、俺の名前だ。
昨日まで、川本に引っ張られて、色々部活を見ていた。
おせっかいではあるけど、そのおせっかいに結構感謝していたりもする。
川本は友達が多くて、そのおかげで俺は、たった数日しか経っていないのに、もうクラスになじみつつある。
尊敬の念をも抱く存在だ。
そんな彼の前で、部活どこに入ろうかなー、とつぶやいたら、自分の放課後を犠牲にするのも厭わず、あっちこっちに引っ張っていってくれた。
その記憶を辿りながら、いくつかの候補を絞り、口にする。
「もっかい見に行く?」
俺の迷っている様子を見て、川本がそう言ってくれる。
だけど、これ以上迷惑をかけるのは気が引ける。
「あとは自分で決めるよ。色々連れて行ってくれてありがとう」
そう言って、遠慮しておいた。
最初のコメントを投稿しよう!