死神

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教室からグラウンドを眺める。 いくつかの運動部が活動していて、それぞれがそれぞれに、自分の技術向上に励んでいる。 「さてどうしようか……」 掃除をしている教室で、俺はつぶやいた。 転校する。 それが決まった時、俺は二つ、決めたことがあった。 一つ目は、新しいことを始めることだ。 前の学校で入っていた野球部ではなく、他のスポーツを始める。 二つ目は、恋をする。 せっかくの青春だ。 楽しまなければ損。 前の学校ではいじめにあっていて、そんなことを考える余裕がなかった。 だけど、川本のいるこのクラスなら大丈夫。 そんなことを考えながら、振り返った時。 「死神」西沢由美と目が合った。
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