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「!?」
そこには信じられない光景が広がる。
後ろに丸い光が4つ、こうこうと鈍く光輝いてついてくる。
「う、嘘だろ!?コーナーワークではこっちが勝ってんだ!追いつける訳があるか!!」
高梨は錯乱する、ミニクーパーは最終型が最近のクルマとはいえ、基本設計は40年以上も前の化石も同然である。
旧車に近づきつつはあるが、未だに一級品の性能のシルビアにかなうとは到底考えつかない。
それもコーナーワークでは負けてないのだ。(車の性能からいって負けようがない。)
そうこう考えているうちに二つ目のヘアピンが現れる。左コーナーだ。
シルビアは限界域ともいえるスピードで侵入する。
サスペンションが軋み、車体の重心が前に傾く。
そのままステアリングを切り込む。
前輪に荷重を少し残したまま、リアが心地よく流れ出す。
そのままカウンターステアを切る。
前輪がほどよく食いついているマシンは非常にコントローラブルで綺麗にレコードラインをなぞり通過していく。
だがどうだろう。
ミニクーパーは恐ろしく減速し、ゆっくりコーナーを曲がり終える。
そして立ち上がりでは安定せずふらふらする。
「あんなやつに負けるわけが…」
それをバックミラーごしにみて安心する高梨。
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