せみろんぐがーる

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愛しの「まいせみろんぐがーる」 最高に可愛い君を連れてデート 周りの視線が痛いくらいだよ ナチュラルに赤茶な 君の髪 肩甲骨のあたりで少しカールしてる 君はそれが嫌だって言うけれど、僕は好きだよ? だからストパーなんてかけないでね? だってフランス人形みたいな君の顔にとってもピッタリなんだもの 耳に髪をかけるとまた雰囲気が違うね ホント可愛い 「今日は前髪下ろしてみたの」 って言う君 普段の大人っぽい君が 可憐な女の子に変身した 「俺はどっちの髪型も好きだよ」 って答えたら 「もっと面白いこと言ってくれると思ったあ」 って彼女はちょっぴりがっかり顔 だってほんとに可愛いんだから そう言うしかないじゃんか メガネをかけても似合う君 いつもよりもっと知的に見える 「マスクは外しなよ 可愛い顔が台なしだよ?」 「君のために唇が乾かないようにしてる って言ったらダメ?」 彼女が言ってきた 僕は彼女がすごく愛おしく感じて マスクを衣服の一部のように優しく外して 近くには誰もいなかったから(誰かいてもしたかも) 彼女のうっすらと湿った唇にキスをした しっかりと抱きしめてね 君の匂い 君の体温 君の鼓動 君の味も知りたかったけど 自分を抑えられない気がしたからやめといたよ そして僕は、ふわふわ髪を揺らして歩いて帰っていく彼女を見送った
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