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?「痛・・・。」
床に強く打ち付けたのか、頭と背中が痛い。
なんとか体を起こし、自分を吹っ飛ばした主を見る。
?「・・・・。」
その姿を見て唖然とする。
玄関にいるソイツは明らかに人間じゃない。
いや、人の形はしている。
しかし明らかに人とは違う異形な気配、・・・妖気ていうのかな、これは。
そして真っ黒な体に角が生えた白いお面。
手には
?「マジですか・・・。」
血に濡れた巨大な包丁。
?「ん~・・・。」
少し考え、護身用のナイフを取りだし構える。
獲物の格が違いすぎるけど、まあ、ないよりマシと言うことで。
?「それにしても」
目の前にいる黒いヤツを見る。
?「角が生えたお面・・・・これが鬼、かな?」
誰に言うでもなく呟く。
答えなんて返ってくる筈はない。
筈はないんだけど・・・
?『それは鬼じゃないわ。』
答えが返って来た。
?「え?」
とっさに後ろを振り向く。
しかし、誰もいるはずがなくただ隙が出来るだけ。
それを見た黒いヤツが巨大な包丁を振り上げながら突進してくる。
?「あ゛、やば。」
目の前の少年は小さい刃物を構え直すが、こっちのほうが断然速い。そして巨大な包丁を少年にむかってふりおろす。この一撃で終わる、筈だったのだが、包丁は床を砕いただけ。
「!?」
いつの間にか目の前にいた少年が消えていた。
「・・・・外カ。」
黒いヤツは呟き、少年を追い外へと出ていく。
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