279人が本棚に入れています
本棚に追加
「何があっても、私があなたを好きになる事はないでしょう。」
毅然と言い放つ彼は、いつもの彼からは想像もつかない程だった。
何故、ここまで冷たく接するのかわからなかった。
私がここに来る前に、ふたりはどんな話をしていたのだろう。
その時、彼が黒い手提げを持っている事に気付いた。同時に、それが亜希ちゃんが私に返すと言っていたお金だという事にも気付いた。
きっと、彼が私達の事を亜希ちゃんに言ったんだ。
「……亜希の方がゆりより先に好きになったのにね…ここまで言われたのも、初めてだな…」
亜希ちゃんは、自嘲めいた笑みを浮かべた。
「……ゆり、亜希はゆりに出会えてよかったと思ってるよ…さっきはあんな事言ったけど、やっぱり亜希はゆりが好きだよ……」
「私も、私もだよ亜希ちゃん……」
最初のコメントを投稿しよう!