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「ゆりは優しいね。優しくて、いい子。亜希に言われても嬉しくないよね。いっぱい傷つけちゃったから仕方ないか……ごめん、ごめんね……」
涙で声を詰まらせる亜希ちゃんが、見てて痛々しい。
「そんな事はもういい。ゆりはずっと亜希ちゃんが前の亜希ちゃんに戻ってくれたらって思ってたんだよ……戻ってくれたら、そんな事はもういいよ。」
胸に込み上げる想いが、瞳からこぼれ落ちる。
「………亜希は元からこうなんだよ…。それにね、もうゆりの顔は見たくない。
人は弱いからひとりじゃ生きていけない。関わり合って生きていく以上、みんな一遍に幸せになれる事はないんだよ。幸せになる人がいる一方で必ず不幸になる人がいる。」
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