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私は、一緒に働く山田さんという先輩に恋していた。
きっかけは、技術を教わっている時に手先が器用だと言われた事だった。
自分で言うのもおかしいけれど、接する男性の大抵は私にちやほやしてくれていたので、私はある程度自分に自信があった。
だけど山田さんだけは、私に全く興味を示してくれなかった。
山田さんはコンクールなどで優勝する程の腕の持ち主で、接客よりも一日中ウィッグを触っていたいという職人気質の人だった。
そんな山田さんが手先が器用だと言ってくれただけで好きになった。
先輩として山田さんの美容に対する真面目な姿勢に憧れていたからなのか、普段ちやほやしてくれないのに急にそんな言葉を言ってくれたからなのかはわからないけれど、多分後者だと思う。
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