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「ねえ、ノイズ。雑音くん。」
「お偉いお父さんとお母さんのすねかじり」
「お前が雑音発してるのが悪いんだよ。」
「こちらが慰謝料請求したいくらいだ」
「ねえ、雑音」
「きいてるの?」
ぼくにはなにも 聞こえない
雑音しか 聞こえない。
ぼくの机を囲む、雑音ども。
「ねえ、雑音。」
「聞こえない耳は い ら な い よ ね ?」
微笑む。
シュハンカク。
皆も わらう。
おもむろに取り出されるカッター。
ぼくは目を見開いた。
「そいでしまおうか、のいじ」
ぼくは取り押さえられた。
「ずっと、シカトするのがいけないんだよ。せっかく僕が声をかけて君の存在をみんなに教えてあげてるのにさ」
シュハンカクは微笑む。
サロメみたいな微笑みだ。
ぼくは大きく身震いしたあと、失禁した。
蜘蛛の子のようにクラスメートは散った。
大きなタランチュラはここに残ったまま。
ぼくは無意識にいやだいやだと呟いていた。
シュハンカクは微笑む。
にびいろをつきつける。
こをえがく。
シュハンカクは微笑む。
あかい ち
が 滴る。
(これが、一応、最後のきをく。)
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