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涙が止まらない。
彼が負けたのは、そんなヒーロー集団なのだから。
彼がしてきたことは所詮ヒーロー“ごっこ”なのだから。
誰からも感謝されず、死ぬまで貶され続けることを宿命付けられた、
男-シン・アスカ。
「なら、ヒーローにならんかね?
今度こそ、本当に。
それも誰を傷付けることなく。」
「えっ…?」
故に吾郎の言葉を聞いて、まるで意味が解らなかった。
自嘲が止まる。
呆然と吾郎の顔を見つめ、手に持っていたグラスを置く。
吾郎の瞳に嘘はない。
だが理解できない。
「そんな…自分は!」
「何も力は剣を振るうだけに使う物ではない。
そうだろう?」
吾郎の顔はにやついていた。
少女はその様子にため息をつく。
懐から一枚の書類を取り出し彼の前に差し出す。
「特別救助部隊…アイギス?」
「MSを利用して自然災害に被災した人々を救うレスキュー隊。
それがアイギスだ。
そしてアイギス隊隊長の草薙吾郎大佐として、君の力を貸してほしい。
どうだろうか、シン・アスカ君。」
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