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彼は躊躇いなく書類にサインをする。
それは自分の意志。
「いかんせん人員不足でね。
君のような人材は喉から手が出るほど欲しかった。」
「俺でよければ
…いえ、是非やらせて下さい!」
それは彼が本当に欲しかった力。
彼が本当に必要だった力。
弱き者を守る力。
真紅の瞳に生気が戻る。
少女から恐怖が消えて、目の前の男性が自分を助けたヒーローに見えた。
その後の食事は味以上に美味しく感じられた。
久しく無かった彼の笑み。
食事を終え、泊まっていたホテルをチェックアウトする。
向かう先はアイギス隊の基地。
吾郎が兵舎の空き室の一つを彼に賄い、少ない荷物を運ぶ。
「ヒーロー…か。」
そして荷物を整理し終えてベッドに転がった彼は懐から桃色の携帯電話を取り出した。
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