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英雄と別れた後、彼は誰にも知らせずに旅に出た。
英雄にザフトへの復隊を勧められたが乗る気はしない。
戦友からのオーブ隠遁の誘いも断っている。
前者はザフトが既にクライン派の巣窟と化していて、
彼の居場所などないから。
後者は戦時下の興奮状態で傷を嘗めあい体を合わせただけの相手だから。
自身の犯した罪の深さは彼自身が一番理解している。
だから自分の足で世界を歩きまわることにしたのだ。
ザフトのトップエースとして働いた頃の多額の給料が手付かずで残っていたため、
旅費にはまるで困らない。
南米から始まり北米、北欧、アフリカ、中東と回って、
戦火に巻き込まれた人々に援助をしていった。
勿論歓迎される訳がない。
連合の支配圏では石を投げられ
ザフトの支配圏では白眼視。
難民キャンプでは泣いてせがまれ、ナイフで右目を斬られた。
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