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彼が持ってきていた日本酒で乾杯しあう二人。
ここ数日間激務に追われていたジークが暫く見せていなかった心からの笑みが自然と浮かぶ。
「彼女は良いのかい?
隣であうあう言ってるが…。」
「魅琴ですか?
おい、ジークさんがお呼びだぞ。」
「えひゃぃっ!?」
逆に政界の大物と対して関わりのない魅琴はガチガチに緊張していた。
隣に居る彼が大物に対して慣れすぎているのもあるが、
対称的すぎて二人が笑いを零す。
その様子に漸く魅琴も正気を取り戻した。
「ひ、酷いですよ!」
「ハハハッ、いやだって…ハハッ、
魅琴の反応が…ハハハッ!」
「いや、久しぶりに笑わして貰ったよ。」
赤面して怒る魅琴を宥めて、今度は三人で月を見上げる。
かなり恥ずかしい思いをしたからか魅琴も大分柔らかくなった。
結局その月見の会は外務大臣が彼らを発見するまで続いた。
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