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ジークが彼に伝えた予想は彼自身薄々は感づいていた。
アスラの基となったデスティニーを回収する際に、アイギス隊の面々とプラントを見てきている。
彼としては無力な人間を救いたい気持ちに偽りは無い。
だが何処か冷めた感情で伝わってくるニュースを聞く。
(これが…“未来”、か。)
生きる希望-クライン派の言う“勝ち取った自由”を失った、
死んだ魚のような瞳のプラント市民。
贅の極みを尽くしているクライン派議員。
そして吹き飛ばした花を歯牙にもかけない英雄達。
戦時中、強烈な憎悪を抱いていたアスハの姫君が一番マトモだったらしい。
少なくともジークを登用してオーブの立て直しを図っているのは皮肉すぎる。
(まあ、俺は助けるだけだな。)
現在彼はアイギス隊所属の“救助用”MSアスラ専属パイロットのシン・アスカ少尉であり、
デュランダルの懐刀、赤翼の悪魔なんかではない。
今日もまた異常な分量の筋トレをする彼だった。
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