ACT 8

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ジークが彼に伝えた予想は彼自身薄々は感づいていた。 アスラの基となったデスティニーを回収する際に、アイギス隊の面々とプラントを見てきている。 彼としては無力な人間を救いたい気持ちに偽りは無い。 だが何処か冷めた感情で伝わってくるニュースを聞く。 (これが…“未来”、か。) 生きる希望-クライン派の言う“勝ち取った自由”を失った、 死んだ魚のような瞳のプラント市民。 贅の極みを尽くしているクライン派議員。 そして吹き飛ばした花を歯牙にもかけない英雄達。 戦時中、強烈な憎悪を抱いていたアスハの姫君が一番マトモだったらしい。 少なくともジークを登用してオーブの立て直しを図っているのは皮肉すぎる。 (まあ、俺は助けるだけだな。) 現在彼はアイギス隊所属の“救助用”MSアスラ専属パイロットのシン・アスカ少尉であり、 デュランダルの懐刀、赤翼の悪魔なんかではない。 今日もまた異常な分量の筋トレをする彼だった。
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