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内乱当初は士気の高さから反乱軍が優勢だったが、
短期決戦で決められなかった反乱軍の負けは一目瞭然だった。
結局はプラント本国は英雄キラ・ヤマトとSフリーダムを投入、
議長も自らが戦場に赴きミーティアユニットを装着したSフリーダムのフルバーストを受けて反乱軍壊滅で終戦となる。
「それで我がアイギス隊は人道的立場から反乱軍の“救助”に向かう。」
そしてそのニュースがテレビに流れる半日前、アイギス隊メンバーは隊長である吾郎から詳細を聴いていた。
救援ではなく救助である。
戦場では傲慢と取れる不殺の行為の尻拭いであることは明白だ。
そして彼は元上官であるもう一人の英雄がしてきた不殺を見ている。
(まだやってるのか)
二年間世界を回ってきて、それが傲慢な偽善であることも知っていた。
翼をもがれて地に叩きつけられた者
銃を失い無防備なまま略奪された者
帰る艦を落とされて酸欠で死んだ者
最初から最後までクライン派に刃向かい続けた彼は今回の任務に虚しく天井を見上げるだけだった。
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