162人が本棚に入れています
本棚に追加
彼が韓国から船で日本に渡った時には、旅を始めてから既に2年が経っていた。
ブレイク・ザ・ワールドによる被害が少なかったのか、
街は活気が溢れている。
家族連れが笑いながら歩いて行くのを見ながら、
彼は泊まるホテルにチェックインする。
「…どうするか。」
シングルベッドに寝転がり、
天井を眺めた。
日本に彼の手によって苦しんでいる人々は居ないようだ。
旅の終わり。
これから何をするか彼はまるで考えてなかった。
彼自身旅の途中で死ぬと考えていたため、やることがまるでない。
(とりあえず歩くか。)
仕方ないので彼はシャワーを浴びて着替えた後、
ホテルから出た。
街に溢れる暖かい感情が彼の心を傷つけていく。
日本はオーブ寄りではあるがプラントとは距離を取っているため、
ラクス・クラインの演説を聞くことがないのが救いかもしれない。
死人のように街を彷徨う。
(…ん?)
そして酒を呑んでホテルへ帰ろうとした所で、
彼は気配を感じた。
最初のコメントを投稿しよう!