ACT 9

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彼が現場に到着する前に既に対象が囮だったことは解っていた。 デスティニーから移植された高感度メインカメラとアイギス隊が増設したレーダーによって、 今抱えている機体がクライン派の物という事は確認できる。 『なっ…!?』 「今から撤退します。 舌噛まないように気を付けて下さい。」 落ち着いた、それでいて油断の無い声で抱えたグフのパイロットに伝える。 瞬間加速で逃げ切れたとは思えない。 説明しつつ機器を操作し抱えたままアスラを変形、 全速力で駆け抜ける。 『光の翼…君は…』 「アイギス隊のシン・アスカ少尉です。 後少しで救助用の中継テントに着きます。 酸素残量は大丈夫ですか?」 マニュアル通りの答えを返す彼。 抱えたグフはエース用に最初技術をもって改造したグフ・カスタムであるから、 パイロットはクライン派でも上の方なのだろう。 だが彼には関係ない。 そのパイロットも救助者の一人なのだから。
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