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連れていくMSのパイロットが放った言葉に彼は自嘲するしかない。
やれることといったら、治療を口実に死刑勧告される裁判を先延ばしするぐらいだ。
(また…か。)
エースと呼ばれて殺戮の限りを尽くした自分が生き残る。
そして目の前に居るパイロット達のように自分が負けたから、
理不尽に死んでいく人達が大勢居る。
「こちらシン少尉。
要救助者残り二名を無事“保護”した。
テントでクルシマ少尉に引き渡す。」
『了解しました。
少尉は本部から連絡が来ていますので、
クルシマ少尉に引き渡し後帰還して下さい。』
軽く了解の意を伝えた後、
彼はテントに到着するとハッチを開放しパイロット達を案内した。
一応手持ちの銃などの武器は回収する。
見たところ目立った外傷も無く、特に問題は無さそうである。
(それでもまだ手はある!)
クルシマ少尉が来たのを確認して、彼はアスラに再び乗り込んだ。
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