ACT 10

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連れていくMSのパイロットが放った言葉に彼は自嘲するしかない。 やれることといったら、治療を口実に死刑勧告される裁判を先延ばしするぐらいだ。 (また…か。) エースと呼ばれて殺戮の限りを尽くした自分が生き残る。 そして目の前に居るパイロット達のように自分が負けたから、 理不尽に死んでいく人達が大勢居る。 「こちらシン少尉。 要救助者残り二名を無事“保護”した。 テントでクルシマ少尉に引き渡す。」 『了解しました。 少尉は本部から連絡が来ていますので、 クルシマ少尉に引き渡し後帰還して下さい。』 軽く了解の意を伝えた後、 彼はテントに到着するとハッチを開放しパイロット達を案内した。 一応手持ちの銃などの武器は回収する。 見たところ目立った外傷も無く、特に問題は無さそうである。 (それでもまだ手はある!) クルシマ少尉が来たのを確認して、彼はアスラに再び乗り込んだ。
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