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「アスカ少尉を呼びました。
あと数分で帰艦します。」
彼と繋がっていた通信機を置いて、魅琴はゆっくりと後ろを振り向く。
そこには彼女の父親である吾郎の他に、プラント評議会のエリート議員であるイザーク・ジュールが居た。
何故来たかは簡単に予想がつく。
「突然の申し出で済まない。
プラント議長ラクス・クラインからの命を受けて此処に来たのだが、
彼宛の物もあるのでな。」
肩まで伸ばした銀髪を靡かせて吾郎に向けて書状を渡す。
吾郎は軽く礼をしてその中身を見た。
一瞬目を細める。
この場の人間にその変化に気付けたのは魅琴だけだ。
そしてその書状が予想通りだったことを彼女は悟る。
「“捕虜”引き渡しの件、
了解しました。
外務省の方にも伝えましょう。」
「ありがたい。」
彼女はモニターを注視する。
それは笑いを堪えるためだった。
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