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プラント内部は彼がデスティニーを回収しに来た時とさほど変化は無かった。
限界まで疲弊しきっているのだ。
実際に亡命“できる”人間の内かなりの数がプラントから出ていった。
残っているのは贅沢の出来るザフト軍人かクライン派議員くらいである。
「我々の任務は此処までだ。」
「んじゃ、後は頑張れよ?」
イザーク隊に見送られ、彼は港で待っていた別のザフト軍人達に連れられていく。
循環装置が整備されてないのか空気は重苦しい。
その中に議長のいる建物があった。
来なければ良かったと改めて後悔する。
周囲と不釣り合いに整備された空間に対して感じるのは嫌悪感だけだ。
「お待ちしておりましたわ。」
「…。」
連れられた先に居たのは、
予想通りの混じり気のない不気味なほど澄んだ瞳のラクス・クライン。
そんな彼女に対して彼は最大限負の感情を叩きつける。
「プラントは今大変な事になってます。
争いは何も生まないですのに。
ですから道を見つけられた貴方に是非とも力を貸していただ…」
「ふざけるなぁあああああっ!!」
そして知ってか知らずか触れてはいけない場所に触れた彼女に、
遂に彼の堪忍袋の緒が切れた。
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