ACT 11

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差し出されたFaithバッジを荒々しい手付きで振り払う。 唖然とした表情のラクス。 リミッターが外れた彼にはそんな事など関係ない。 「またかよ! またアンタ達はそうやって俺から奪ってくのかよ!!」 「そんな…私達はっ!」 光が消え失せた瞳が睨みつけ、ラクスは生まれて初めて恐怖を感じた。 凝縮された莫大な負の感情が遮る物無く直接ぶつけられる。 銃口を向けられるよりも恐ろしい感覚。 冷や汗が流れ落ち一歩引き下がるが、 彼はそれより早く足を踏み出して胸倉を掴んだ。 「アンタ達がフリーダムを渡したから俺の家族はみんな死んだ! アンタ達が介入したからステラが死んだ! ハイネ隊長も!レイも! アンタ達が議長を撃ったから戦争の無い世界が消えたんだ! それで今度は何を奪う気だ? このアイギス隊バッジかっ!?」 「…っ!!」 傷一つない手入れされた顔に、彼の傷だらけの顔が近付く。 議長室が防音仕様なため彼女を助ける騎士は此処には来ない。 逃れる術など無い。 「…俺に構ってる暇有ったら プラントの中を一人で視察してみろ。」 「あっ…。」 捨てるように彼女を投げ捨て、彼は目の前で手紙を破り割いた。
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