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キラ・ヤマト
…彼が人類の叡智を集めて創られた存在であると言う事を知っているのは、
ほんの数人である。
そしてその事実が最大の悩みだった。
「未来を決めるのは…。」
議長に対して啖呵を切ったものの元は工学系の学生であるキラに政治的知識は無い。
勿論それは自覚しており、故に未だにSフリーダムを駆っている。
技術が刷新する度に改造を施しており、現在でもある人物を除けば不敗だろう。
「この艦は月で一回補給を入れるから、
其処まで乗せてくよ。
アソコからならシャトルも出てるし。
あ、料金はこっちが出すから。」
そしてその唯一勝てない相手である男が目の前に居た。
確かにキラとしても彼の力は借りたい。
だが彼は既に自身の進む道を見つけているから誘う訳にはいかない。
無理矢理でも引き込めば、それこそ自身が否定したことをする事になる。
「引き止めないんだな。」
「正直居て欲しいよ。
でもコレは…僕の義務だから。」
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