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「立てるか?」
「あ、はい…。」
服を破かれていたため、彼は着ていたコートを少女に渡した。
未だに状況が掴めてないのか少女はどことなく呆けている。
傷は負っていたがどれも浅く問題は無いと判断。
彼は彼女を連れて交番に連れて行く。
処理自体は素早く終わった。
彼女を保護してもらい、襲った輩の特徴を伝える。
「あの…」
「ん?」
そして彼女の父親が迎えに来るということで彼が帰ろうとした時、
初めて彼女は彼に声をかけた。
怖かったのだ。
助けた彼が。
光の無い瞳に傷だらけの体、纏っている雰囲気と、
ぱっと見幽霊であるから仕方ないといえば仕方ない。
「私の父があなたとお話したいらしくて、少しお時間宜しいですか?」
「ああ、問題ないけど?」
彼が肯定してようやく落ち着けたのだ。
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