4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぁ~~~あ・・・」
晴ればれとした午後の時間に、眠たそうな少年の声が聞こえる。
「今日もいい天気だなぁ~~。・・・こんな日は、家のなかでゆーったりと昼寝するに限るなぁ~~。」
少年はそう言うと、ベッドに気持ち良さそうに横たわる。
「・・・それじゃあ、おやすみなさ~~い。」
少年がウトウトと夢の世界に旅立とうとしていると、階段をドタドタとかけ上がってくる音が聞こえてきた。
「(ドンッ)・・・ちょっとアルク!もうお昼よ!?ちゃんと起きなさーーい!!」
アルク「・・・うるさいなぁ~、わかったからもうちょっと静かにしてよ母さ~ん・・・」
アルクと呼ばれた少年は、不機嫌そうに目をこする。
母「そうやっていつまでも寝てるんじゃないの!ほら、早く起きなさい!!」
なかなか起きようとしないアルクに、しびれをきらした母が奥の手を使う。
母「・・・早く起きないと、この『ニャンニャン魔女っ子マテリアちゃん8分の1フィギュア』を、そこの窓から投げ捨てるわよ~~。」
アルク「・・・!!」
母が、ネコミミと尻尾を生やしてステッキをかかげている可愛らしい少女のフィギュアを、窓から投げ捨てようとしたとき―――
バッ!!
―――勢いよくアルクがとび起きる。
アルク「やめろぉぉぉぉ!!・・・『マテリアちゃん』に、罪はないぃぃ!!」
必死の形相で、フィギュアを投げ捨てようとしている母の手を掴む。
母「・・・やっと、起きたわね。」
母は、投げ捨てようとしたフィギュアをアルクにわたす。
母「別に、本当に投げ捨てようとは思ってないわよ。あんたを起こすためにやった嘘よ。ウ・ソ!!・・・わかった?」
アルク「母さんの嘘は、本当にしそうでコワいんだよぉ!!」
アルクは、軽くベソをかきながら、フィギュアを大事そうに抱える。
最初のコメントを投稿しよう!