4人が本棚に入れています
本棚に追加
母「・・・ハァ~~、・・・その熱意を他のことに向けてくれたらいいのにねぇ~・・・。」
母は、アルクに対して大きなため息をつく。
アルク「・・・いいんだ。オレは、これが好きなんだ。」
アルクは、フィギュアを大事にみがいている。
母「今、世間であんたみたいな人間を何て言ってるか知ってるの?!」
アルク「・・・『オタク』、・・・だろう?」
アルクは、小さい頃からそういう『萌え』というのが好きだった。
自分のような人達が『オタク』と呼ばれているのは知っている。
アルク「・・・母さん!!これからの時代、世界を担うのは『神』や『教会』なんかじゃない!!これからの時代は、・・・『萌え』だ。『萌え』が世界を担うんだぁぁ!!」
母「コラッ、アルク!!罰当たりなこと言うんじゃないわよ!!」
今の平和な暮らしができているのは『教会』のおかげなのだ。
そんな『教会』の悪口を誰かに聞かれたら、大変なことになってしまう。
少なくとも、今のような生活はできなくなるだろう。
アルク「『萌え』の力で世界は変わるんだぁぁぁ!!」
アルクは、母に猛烈に『萌え』をアピールしているのだが、母は一向に聞こうとしない。
母「・・・それほど言うのだったら、家に引きこもってないで外で宣伝活動でもすればいいじゃない?」
アルク「うっ!?そ、それは・・・」
勢いのよかったアルクの演説が、不意に止まる。
それ以降、アルクはもごもごと口ごもってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!