―第00章― 退屈な日々

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母「・・・ハァ~~、・・・その熱意を他のことに向けてくれたらいいのにねぇ~・・・。」 母は、アルクに対して大きなため息をつく。 アルク「・・・いいんだ。オレは、これが好きなんだ。」 アルクは、フィギュアを大事にみがいている。 母「今、世間であんたみたいな人間を何て言ってるか知ってるの?!」 アルク「・・・『オタク』、・・・だろう?」 アルクは、小さい頃からそういう『萌え』というのが好きだった。 自分のような人達が『オタク』と呼ばれているのは知っている。 アルク「・・・母さん!!これからの時代、世界を担うのは『神』や『教会』なんかじゃない!!これからの時代は、・・・『萌え』だ。『萌え』が世界を担うんだぁぁ!!」 母「コラッ、アルク!!罰当たりなこと言うんじゃないわよ!!」 今の平和な暮らしができているのは『教会』のおかげなのだ。 そんな『教会』の悪口を誰かに聞かれたら、大変なことになってしまう。 少なくとも、今のような生活はできなくなるだろう。 アルク「『萌え』の力で世界は変わるんだぁぁぁ!!」 アルクは、母に猛烈に『萌え』をアピールしているのだが、母は一向に聞こうとしない。 母「・・・それほど言うのだったら、家に引きこもってないで外で宣伝活動でもすればいいじゃない?」 アルク「うっ!?そ、それは・・・」 勢いのよかったアルクの演説が、不意に止まる。 それ以降、アルクはもごもごと口ごもってしまった。
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